水明のお宝発掘シリーズ「水明会館図書紹介」その2
今月は『淳化閣帖(じゅんかかくじょう)』をご紹介しましょう。
『淳化閣帖』は,北宋の淳化3(992)年,太宗が翰林侍書(かんりんじしょ)の王著(おうちょ)に命じて内府所蔵の歴代の法帖の名蹟を編纂し、木版に上刻させたものです。
正式には『淳化秘閣法帖』、あるいは略して『閣帖』とも言います。
全部で 10巻あり、巻1は歴代帝王法帖,巻2〜4は歴代名臣法帖,巻5は諸家古法帖,巻6〜8は王羲之,巻9〜10は子の献之の法書を集刻しています。
宋代以降多くの翻刻本,増補改訂した刻本が作られましたが、清代のものが一番有名です。
この『淳化閣帖』は今のように書道の古典が多く発行されていない戦前では、書法の規範とされいわゆる「帖学派」のバイブルとなっていました。
水明書道会にある『淳化閣帖』は『袖珍淳化閣帖』というもので、ポケットサイズのものです。
私がまだ30代の頃、この本を古書屋で見たことがありましたが、あまりに高価でとても買える価格ではなかったと記憶しています。
貴重な価値のある『淳化閣帖』をぜひ手にとってご覧下さい。
佐藤煒水