干支にまつわるエトせとら 鼠編3
いよいよ令和元年も残すところわずかになってきましたね。
来年はいよいよネズミ年です。
さて、
鼠輩(そはい)という言葉があります。
直訳すると「ネズミどもが」ということです。
この言葉は他人を侮蔑する際に用いる言葉で、「ネズミのような小物どもが」というような意味です。
このようにネズミは、価値のないもの,つまらないものという動物として扱われています。
今回は、このような意味の四字熟語を選んでみました。
● 以鼠為璞
① 読み方
いそいはく 「鼠を以て、璞(はく)と為す」
② 意味
「璞」は掘り出されたばかりの磨かれていない玉。「あらたま」のことです。
ネズミの肉のような価値の少ないものを宝石の原石のような高価なものとして扱うことを言います。
③出典
劉向戦国策
この故事は、前漢の劉向(りゅうきょう)が編纂した
戦国時代の遊説の士の言説、国策、献策、逸話等を集めた「戦国策」の中にあります。
紀元前の古代中国の鄭(てい)の国では、宝石の原石「璞」を「はく」と言います。また、周の国では鼠の肉「朴」を「はく」と言っていました。ある時、鄭の国の人が周の国の人から「はく」を買ったのですが、宝石の原石の「璞」ではなく、鼠の肉だったというお話です。
ところで、この話に出てくる「ネズミ」は、今私たちが思っているネズミとは少し違います。イタチなどの少し大きい哺乳類のことです。
画像はいずれも筆者による鼠の肖形印です。
佐藤煒水