需要はある
こんにちは、Suikeiです。
仕事柄ですが
パソコンで使用するフォント(書体)は
結構高いお金を出して1年更新のライセンス契約をしています。
この契約をしていると1,000書体以上ものフォントが商用でも自由に使えます。
先日も契約更新をしたのですが
そのフォント会社から昨秋、新規書体の見本帳が送られてきました。
ぱらぱらとながめていると・・・
なんとおなじみの千字文で毛筆の書体見本が表現されていました。
この会社に限らず、いままでも毛筆書体はいろいろなフォント会社から販売されて、限りなくたくさんありました。
楷書や行書、隷書に、勘亭流のようなものもありますね。
私自身はこうした毛筆書体を仕事であまり使うことがありませんが
一般には年賀状などの印刷に使われているのかもしれません。
どんな書体でも、新規の書体の開発にはものすごく時間がかかります。
書体を作るデザイナーさんがたいていはまず手書きで草稿を作り
実際に文字を取り込んで曲線を扱えるソフトで、拡大して一字一字確認しながら微調整されます。
また文章を作ってみて隣り合うあるいは前後する文字とのバランスや安定性を考慮して、また調整されるようです。
1つの書体にはウェイトと言って太さの違う書体のあつまり(ファミリー)も同時に作られるため、
開発のコストと時間は計り知れませんね。
さて、その見本帳でこんな書体を見てびっくりしました。
なんと連綿が表現できるのです。それも文字のつながりによって連綿が変化するのです。
書道の先生方がおもな水明書道会では
ブログ読者の方はこれがすごいとは思われないかもしれませんが、
これは巷では「すごい」ことです。
これまでの文字は単体でしたが、このように組み合わせによって柔軟に「つづける」書体が生まれたのですから・・・
雑誌や書籍、ポスターなどの出版物やウェブ上の「需要から」こうした書体が開発されたのです。
だからね、ほら
書道の需要はあるのですよ。
練習次第でこうした書き文字を、自分の物として身につけられるのです。
そんなこともアピールして「水明」誌の新規読者を増やしたい。
・・・そんな気がします。
(水明未来構想委員 堀 翠恵)
資料写真は(株)モリサワ見本帳より
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1707/28/news076.html