水明セミナー秋期講座報告

水明書道会では春(5月)と秋(9月〜11月)に水明会員や水明誌購読者そして一般の書道愛好家を対象に水明会館で(七条京阪駅下車五分)水明セミナーを開催しています。

開催内容は漢字、仮名、現代書、篆刻と書道の四部門を網羅しています。

講師は水明書道会の一般部審査員で、毎年、多くのご参加をいただいております。

今回はこの講座の一つ、「篆刻」を紹介します。

 


 

水明セミナー「篆刻」を担当します。佐藤です。

毎年、秋のセミナーは年賀状の作成を目的として、干支の動物の印や年賀状らしいおめでたい言葉の印を作るのですが今回の講座では「篆書」の書き方を二回に分けて行いました。

一回目は「篆書の筆法」など篆書の基本を、

二回目は篆書を使った作品作りをしました。

 

 

今回は第二回目の作品を六点ご紹介します。

①「臥牛」という篆書に牛が寝そべっている印を添えた作品です。

直線的な構成の中に印が効果的に配置されています。

 

②「辛丑(しんちゅう)」と書かれています。辛丑は来年の干支です。

この作品の見どころは曲直の線の組み合わせです。線のカスレも魅力的です。

 

③「喝」という文字を淡墨で「滲みとカスレ」を効果的に使っています。

篆書の造形美をうまく活用しています。

 

 

④「秋聲」を篆書で書き、五言絶句を篆書に添えています。

柔らかさとしなやかさがで表現された「和様」の作となっています。大正、昭和の文人気質を感じます。

 

⑤「風爽」を篆書で書き、自詠の五言律詩を篆書に添えています。

五言律詩で空白を埋め、「風」の中の空白を大きく見せた作です。

粗密が美しく表現されて、印も効果的です。

 

⑥「天禄」を篆書で書き、四言古詩を添えています。

「天禄」が縦線を強調していますので、四言古詩を横に書いたのが成功しました。

文人らしい作品に仕上がっています。

 

 

佐藤煒水


水明書道会では今後も、基礎から学ぶ、もっと深く学ぶ、そして楽しく学ぶ、さまざまな講座を企画しております。

また次の機会には、ぜひみなさまもふるってご参加下さいますようお願い申し上げます。

セミナー担当  長田紫豊

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